2009年02月01日
川俣晶の縁側歴史と文化歴史資料館巡り total 4950 count

策(むち)の池・新宿歴史博物館・企画展「新宿風景1975-1989 ~昭和最後の15年~」

Written By: 川俣 晶連絡先

 都営新宿線「曙橋」は不思議な場所でした。実は高校生活のうち1年間はここを都営新宿線を通学に使っていましたが、新宿三丁目や市ヶ谷はよく分かるのに、その中間の「曙橋」は聞いたことがない謎の地名でした。しかも「フジテレビ前です」という駅アナウンスまで入ります。

 しかし、曙橋の実態と魅力に開眼したのはごく最近です。特に、曙橋があの道路橋であると知った後です。道路と道路が交差する立体的な地形といい、防衛省の巨大なアンテナが見える非日常感といい、新宿歴史博物館、お札と切手の博物館等へのアクセスの良さといい、魅力満点です。更に、現在仕事場で座っている椅子(オカムラ エルシオ)も、曙橋駅近くのオフィス家具屋で買ったものです。

 そういう状況で神田川 「まる歩き」 しちゃいます!! 策の池を見て愕然としました。まさか曙橋の近くに、こんな場所があるとは!

 思わず行ってきました。

策(むち)の池 §

策(むち)の池策(むち)の池と津の守弁財天

 上手く魅力を伝える写真が撮れていませんが。

 通常、この手の施設はビル等が見えてしまうと興ざめします。ところが、ここに限っては極端な段差の上に建物があるので、不思議な空間という印象が逆に高まっています。見ていて本当に面白い場所です。

 お洒落な椅子や手押し井戸、津の守弁財天などもあり、明らかに普通ではない独特のムードを作り出しています。

金丸稲荷 §

 案内があったので、そちらにもまわってみました。児童公園の一角にあり、狭いながらも面白味のある稲荷でした。

新宿歴史博物館・企画展「新宿風景1975-1989 ~昭和最後の15年~」 §

 そのままお馴染みの新宿歴史博物館にまわりましたが、突然知っている場所に出たときはハッとしました。そうか、ここを突っ切っていれば「策(むち)の池」方面に抜けられたのか……と納得。

 さて、企画展「新宿風景1975-1989 ~昭和最後の15年~」ですが、以前あった写真展の続きと位置づけられる企画展です。しかし会場に一歩入ったらもう駄目でした。とりあえず目に入った写真を見て隣の写真を見て……と順路に関係なくもうひたすら写真に目を奪われていきました。

 とはいえ、今回やや違うのは、実際に見た光景がけっこう多いことです。時期的に、リアルタイムでその時期に新宿に出向いたことがあるわけです。そのため、ますます見入ってしまいました。

 1つ面白かったのは、ついさっき興味深く見たばかりの坂の写真もあったこと。しかも新旧対比で。これが地元密着型歴史資料館の面白さですね。

 もう1つ、通勤新線誘致関係の写真で、当時「あり得ない。無理だ」と思っていたことを思い出しました。しかし、それは山手貨物線転用の埼京線として実現したわけです。

 ちなみに、写真集『新宿風景―明治・大正・昭和の記憶―』はこの企画展の図録ではく、それ以前の時代の写真も多く収録したものですが、僅か1000円です。前回の企画展で「図録はないか」と質問したので今回と合わせて作ってくれたのかも。いや、私の要望だけで作ったとも思えませんが (汗。

余談・念仏坂 §

 もう1つ、最近『神田川 「まる歩き」 しちゃいます!!』さんに念仏坂の写真が出ていて、「ここは曙橋から漱石公園まで歩いたときに通ったぞ!」と思ってまた見てきました。あのときは、念仏坂でもかなり時間を使っていろいろみていました。こういう場所もあるから曙橋周辺は面白い!